伊勢湾台風の歴史

熱田の歴史を探ると2つの大きな悲しみの出来事がありました。一つは、熱田大空襲。もう一つは、伊勢湾台風。今回は、伊勢湾台風が熱田にどのような被害をもたらしたか?お伝えできればと思います。

伊勢湾台風について

伊勢湾台風は、昭和34年9月26日午後6時すぎに紀伊半島南端に上陸。直径700キロに及ぶ地域を暴風雨に巻き込みながら名古屋の西方30キロの地点を通過し、26日の夜に富山湾へ抜けました。瞬間最大風速 45.7メートルという驚異的な数値を記録しました。これは走行中のトラックが横転するレベルの風の強さです。また、伊勢湾沿岸一帯にかつてない高潮が生じ、満潮時に近い午後9時35分、名古屋港における最高潮位は5.31メートルと、名古屋港検潮始まって以来の記録となりました。

伊勢湾台風被害の状況

前日から降り続いた雨は、台風の中心が近づくにつれ、時間雨量40~60ミリの豪雨になり、河川は刻々と増水し、低気圧に吸い上げられた高潮と重なって、一時海岸堤防および河口付近の河川堤防を寸断、市南部地区一帯を濁流の渦に巻き込みました。名古屋港周辺の貯蔵場からあふれ出た28万立方メートルに及ぶ無数の巨木が、人命、家屋の被害を大きくしました。

名古屋市と当時の守山市および有松・大高の両町を含む死者が1,881人。熱田区内においては3名の尊い命が失われました。

当時の写真などを見ると、洪水による被害はもちろんのこと巨木による被害が多く見受けられました。人間が切り出した木が人間を襲うことになるとは全く見当もつきませんね。名古屋市南区あたりは特に被害が深刻だったようで、屋根の上に登り助けを待つ人の姿が脳裏から離れません。近年、地球温暖化の影響で、異常気象の頻度は増加しています。このような被害が再度起こることを想定して、いざという時の備えをしなければなりません。過去の教訓から学び、生かしましょう。

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